私の心の共鳴音
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2006/11/11 (土)  システム伝送特性の測定と考察 (鈴原透慈)
ES化D-58 Rch 軸上1m 高さ1m(フルレンジとトゥイーターの中間)
ES化D-58 Rch 軸上1m 高さ1m
ES化D-58 L+R リスニングポジション約3.2m 高さ1.1m(耳の高さ)
ES化D-58 L+R LP約3.2m 高さ1.1m
低域の定在波シミュレーション
 ケーブルを交換して音が変わったと言っても言葉だけでは信憑性が薄いので、実測値を公開する。以前はSANWAのスペアナSS-30RTを使っていたが、レベルが揃わない周波数があるので、今回からはOZさんも使っているPHONICのPAA3で測定する。付属CDのピンクノイズを再生してメモリーに2回取り込んで、その平均値を掲載している。OZさんは本体の液晶画面を携帯で撮影されているが、上のグラフはPAA3の付属ソフトでデータを取り込んでPC上に表示した画面を切り抜き加工したものである。測定条件はOZさんと同じで、Rch軸上1mとL+Rリスニングポジション約3.2mの2種類だ。測定パラメーターは初期値のままで、聴感補正なし(FLAT)、レスポンスタイムは250mS(中間)。
 Rch軸上1mは、フルレンジとトゥイーターの高さの中間の1mで測定した(フルレンジのセンターの高さが89cm、トゥイーターが111cm)。両ユニット共に軸上からは外れているので、特性的には不利な位置だ。普通はトゥイーター軸上だが、5月にOZさんが拙宅で測定された条件に合わせた。
 軸上1mの特性では4kHzにピークがあり、70dBを基準にすると高域は12.5kHz以上が約10dBダウン、低域も10dB落ちで50Hzまで、40Hz以下は20dB落ちである。トータルでは中高域がピーキーで低域不足、この特性からも分かるように、大型バックロードホーンのD-58は1〜2mの至近距離で聴くようなスピーカーではないことは明らかだ。
 リスニングポイントは1mと同じ再生音圧で測定しているので、距離による音圧低下の実態を示すものとなっている。
 特性的には1kHz前後1オクターブの中高域のレベルがよく揃っており、2kHz以上はなだらかな下降線を描いていて、聴感的に好ましい特性になっている。驚くのはスピーカー軸をLPの約1m手前で交差する内振りセッティングにしているにもかかわらず、12.5kと16kHzの下降が少ないことで、これはトゥイーターのゴトウユニットSG-16TTの指向性の良さに拠るものと思われる。低域は距離を取ったので30Hzまで伸びている。ただし、中低域には定在波の影響が出てきて、ピークとディップが生じている。特に目立つのが63Hzのディップと80、160、200Hzのピークである。この定在波については、便利なフリーのシミュレーションソフトが公開されており、元テクニクスの石井伸一郎氏考案の「石井式リスニングルーム」のオフィシャル・サイト(管理人は松浦正和氏)からダウンロードできる。3番目がその画面で、部屋の寸法とスピーカーとリスナーの位置、スピーカー(ウーファー)とリスナーの耳の高さ、壁の反射率と反射回数を指定すれば自動的に計算結果が表示される。ただし、画面では500Hzまで表示されているが、比較的正しい結果が出るのは200Hz前後までだ。隣接した部屋があるため計算結果は実測値と若干ズレているが、定在波の影響が簡単に把握できる。オーディオHPには、これくらいの情報が欲しいものだ。
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2006/11/04 (土)  無ハンダかハンダ付けか (鈴原透慈)
 自分も他人の事をとやかく言えたものではないが、世の中には短絡思考が多く、「○○でないとダメ」「○○だから良い」という意見や主張はよく見かける。ハンダ付けに関しても、余計な介在物は無い方が良いという考え方から、RCAラインケーブルでは「無ハンダ」が売りになるケースが多い。
 今回使用したフルテックのFP-106Rも芯線がネジ止め式で「無ハンダ」が売りなのだが、コールド側はともかく、ホット側のネジ山があまり丈夫ではなく、すぐに馬鹿になってしまう。そうなると、もう締めることも緩めることも出来ない。
 ネジ止めは本来、ラチェットドライバーを使ってギリギリまで締めないとそのメリットを発揮できないので、FP-106Rのホット端子のネジは改良の必要がある。とは言っても、メーカーが改良してくれるまで待つわけにもいかないので、どうするか。これはもう、ハンダ付けするしかない。
 「ハンダ付けすると音質が劣化する」と信じ込んでいる人もいるかと思うが、自分の経験ではギリギリまでネジ止めできない場合は、ハンダ付けする方が音は良くなる。
 作業については、ハンダには日本アルミットKR-19を使用。音質よりも信頼性の高さで選択。ハンダごては芯線とプラグにかなり熱を喰われるので、goot のPX-238のような設定温度固定式を使った方が良い。自分は従来タイプの60Wを使ってハンダがあまり上手く溶けずに苦労した。
 さて、ハンダ付け後のFP-106R+LS-502の音はどうか。ハンダ付け前でも十分にいい音だが、ハンダ付け後は更にワンランクアップして高域がすっきりと伸び切り、音場の見通しがよくなった。特に向上が著しいのがボーカルで、細やかな変化がよく出て人の声の情報量の多さを改めて認識させられた。まさにリファレンスにふさわしいケーブルだ。
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