タイトル | : Re: 自然界の音には本当にプリエコーは存在しないのか? |
記事No | : 175 [関連記事] |
投稿日 | : 2010/03/06(Sat) 22:15 |
投稿者 | : 鈴原透慈 |
「プリエコー」の定義は『元の音より先に音が生じている』ことです。
インパルスのような瞬間的な信号のDA変換時に発生するプリエコーは、
元の音が発生する前に生じている音ですから、言い換えれば、原因より
先に結果が生じています。
この性質が自然界には存在しないと言っているわけです。
プリエコーの他の例では、磁気テープ録音において磁気転写によって、
無音部分でその直後に始まる音楽部分がかすかに聴こえるといったもの
があります。再生時には存在しているが、録音時には存在していなかった
という意味で、これも『原因より先に結果が生じている』状態です。
また、「リンギング」とは「信号波形の歪みの一種で、限られた帯域を
もつ電気回路において入力信号が急に変化したときの波形の立ち上がり
部分に、ある短い時間波動波形を生じる現象」(webioより)ですから、
地震波のような自然現象に対して用いられた例は寡聞にして知りません。
『原因より先に結果が生じている』「プリエコー」が自然界に存在すると
なると、因果律を引っ繰り返す大発見だと思いますよ。
ちなみに地震のP波のPは「primary」で、最初に来る波という意味です。
「pre」ではありません。P波とS波に時間差が生じるのは、P波が縦波
(粗密波)で液体や気体でも通過するため伝達速度が速く、これに対して
S波は横波で固体しか通過できないため伝達速度が遅いからです。
「プリエコー」の所為ではありません。
参考:地震の伝わり方のアニメーション
http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/flash/ps_wave.html
以上、ご参考になりましたら幸いです。