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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2007/07/14> ←前へ 次へ→
6.マイ・システム 4)プリアンプ アキュフェーズ C-2410
オーディオのメインソースがLPレコードであった大昔には、プリアンプの主な役目のひとつはフォノイコライザーを搭載してレコード再生に対応することにあった。CDの普及でプリアンプに最低限必要な機能はソースセレクターと音量調整だけになってしまった。そのため、パワーアンプにボリュームが付いているか、CDプレーヤーの出力が可変であれば、プリアンプは不要だと思われがちだ。
ところがクォリティの高い音量調整の実現は容易ではない。普通は可変抵抗を用いるが、これがピンからキリまである。最高級品はアキュフェーズC-280Vで初めて搭載された松下電子製の回転抵抗体式ボリュームで、部品単体の価格がC-280Vで約10万円、後継機のC-290Vでは約13万円という代物だ。松下自身も自社ブランドのテクニクスのプリアンプSU-C7000などでこのタイプのボリュームを使っていたが、オーディオ専用で需要が少ないため製造中止になってしまった。
そこでアキュフェーズが開発したのがAAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifire)だ。詳しい説明は同社のHPをご覧いただきたいが、可変抵抗体を使用しないので、抵抗体に起因する熱雑音や小音量時のギャングエラー(左右のレベル差)、クロストークがほとんど発生しない。もちろん、アンプの音がAAVAのみで決まるわけではないが、他社比で大きなアドバンテージだ。
プリアンプ アキュフェーズ C-2410 (2007/07〜使用中) ¥682,500(2007年発売)
アキュフェーズ C-2410 アキュフェーズ C-2410(背面)
C-2410はC-2400のモデルチェンジ機である。変更点は、機能面ではゲイン切替が背面からフロントに移動、位相設定が入力ポジション毎に可能で、これは上級機C-2810と同様。外観ではサイドパネルがパーシモンによる本木目仕上げとなった。もっとも、これは100%木材のサイドウッドパネルではなく、アルミパネルに突き板化粧を施した物だ。入力端子はTAPE2が無くなりTAPE1系統に減少、その代わりXLR出力端子が1つ増えて2系統になっている。質量はC-2400より1kg増えており、物量投入が強化されたことがうかがえる。セールスポイントのAAVAはOPアンプが変更。スペック上ではS/N比が入力ショートで2dB、EIAでは1dB下がっているが、実使用領域(12時くらいまで)のSN比は上級機より向上しているそうだ。AAVA基板の写真を見るとC-2400のそれよりシンプルだが、基板上の電解コンデンサーは倍に増えている。また、ボリュームを回した時のチリチリノイズはほとんど無い。回路設計面では確かに進化しているようだ。音は、聴感上のSN比とトランジェントが向上、Dレンジが広がった印象だ。音像は明確、音色面ではより表現力が広がったと言うか、入力される音源に更に忠実になったように思う。価格は10万円アップしたが、ハイCP機だ。
過 去 の 使 用 機 種
プリアンプ アキュフェーズ C-2400 (2003/09〜2007/06) ¥580,000(2003年発売)
C-2400
C-290Vの抵抗体回転式ボリュームは優れたボリュームだが、自宅では高能率スピーカーを近距離&夜遅くに鳴らすので、8時以下のことが多く、その性能をフルに発揮させられなかった。そこで、電子式音量調整方式のAAVAを搭載した本機に交換した。AAVAはミューティングもそれ自身で実現しているので、音質劣化なしでボリューム位置を上げることが出来、細かな音量調整が容易になる。音もAAVAのメリットで「生と勘違いできる」音を実現、C-17+AD-290とのコンビでアナログも透明度とSN比が高く歪みなし。超ハイCP機だ。
このアンプのテープコピー機能は1→2のみで、TAPE2のPLAY端子には余分な接点が入っていない。つまり、ここがもっともクォリティの高い入力端子となっている。また、すべての空き入力端子にはショートピンをスタビライザー替わりに挿しておくとよい。
プリアンプ アキュフェーズ C-290V (2002/10〜2003/08) ¥980,000(1998年発売)
C-290V
某店で、このC-290Vを聴いて初めて、C-280Vのメタリックさと、ほんのわずかの分解能不足に気がついた。2001年導入のC-280Vは、ボリュームがガリ対策品(C-275Vと互換あり)に交換されていたので、音はオリジナルよりもC-275V寄りだったのかもしれない。
C-2800の登場で店頭展示のC-290Vの値段が下がっていたので、思い切って導入した。大幅な音質向上で、故長岡鉄男先生が本機をすぐさま導入されたのがよく分かる。
ちなみに、収納式パネルはオープンにしている方が、僅かだが音の活きが良いように思う。
プリアンプ アキュフェーズ C-280V (2001/04〜2002/09) ¥800,000(1990年発売)
C-280V
90年の発売だが、滅多に中古市場に出回らない超高級プリアンプ。2001年の春に中古品を約半額で入手した。最大の特徴は、本機で初めて採用された抵抗体回転式のボリューム。プリアンプというものは、入力ソースの信号をいかに劣化させずにメインアンプに送り込むかというのが使命だが、このC-280Vは「音の良いプリ」というよりも「音の劣化が少ないプリ」という印象が強い。自作アッテネーターと比較してほぼ肩を並べる優れたボリュームだ。ADには優秀なヘッドアンプが欲しい(デンオンPRA-2000ZRは超ハイCP機だった)。
音量調整 固定抵抗切替え式アッテネーター 自作PC-5Pro 約5〜6万円
オーディオにおいて、ボリュームは音質を左右する極めて重要な部品のひとつだ。
普及機に使われる数十円のボリュームと、高級機で使われる数万円のそれとでは、当然、音に大きな差がある。高価なボリュームは高価なプリアンプにしか使われないが、アンプの価格は安くても40万円以上、高いものは100万円を超えてしまって、とても手が届かない。貧乏人がいい音を聞くためには、自作するしかないのだ。
PC-5Pro の基本設計はオーディオ評論家の故長岡鉄男氏。超高級抵抗にPCOCC単線、金メッキの3段スナップスイッチにWBTのピンジャック、と超贅沢な材料を使用しても、自作なら数万円で可能なのである。プリアンプ導入に伴い、役目終了。
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