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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2003/06/12> ←前へ 次へ→
3.エネルギーはあるがままに〜セッティング〜 3)ラックと機器のセッティング
(1)セッティングの順番
音は振動だから、本当にいい音を聴くためにはその音以外の振動の影響を極力排除する必要がある。基本的には、動いてはいけない部分を重く硬く丈夫にして、ガタつきやグラつきを取り除く。その上で、剛性を高めたために伝わりやすくなってしまう微少な振動を遮断(=吸収)する役目の適当なインシュレーターを用いるという順番でセッティングを行なっていく。
(2)ガタ取り
完全に平面な床やラックは有り得ないので、何もせずにラックを床に置くと必ずと言っていいほど、ガタが生じる。これはラックの四隅のうち1箇所以上が床に接触していない状態であり、対策としては隙間に適当な(=必要最小限度の)スペーサーを挿むのが一般的だ。スペーサーは使わないに越したことはないが、現実的にはほぼ必ず使わざるを得ない、いわゆる必要悪である。使い方は、1個所だけに挿むことでガタを取るのが基本。しかし、床が凸状の場合などは、2〜4個所にスペーサーが必要なケースもある。
薄鉛シート 釣り用板オモリ
では、スペーサーは何を使うか? ガタつきの原因の隙間は数mm〜1mm以下と様々だが、薄い鉛シートを使うのが簡単だし、何と言っても安い。写真左はホームセンターで売っていた鉛シートで、0.3mm(¥150)、0.5mm(¥190)、0.8mm(¥290)、1mm(¥340)厚。サイズは 50×300mm。
写真右は、釣具店で板オモリとして売られている0.25、0.4mm厚(¥150)の鉛シートで、サイズは0.25mmが15×500mm(2枚)、0.4mmは15×300mm(2枚)。板オモリの方が入手は容易だろう。
薄鉛シート 釣り用板オモリ
御影石ボード ガタ取りその1
ラック自体の面積は幅600×奥行き450mmだが、これよりひと回り大きな御影石ボードを敷いて、安定性の向上と床から伝わってくるスピーカーからの振動の遮断を図った。写真は向井建設扱いの御影石ボードMIGU30。900×600×40mm、60.5kgで¥13,650(2004/04/15現在)。1kg当たり¥226 とバカ安。
ガタ取りは 50×150mmにカットした0.3mm鉛シートを3ツ折りにして50×50、約1mm厚にしたものを1箇所に挿むことで取れた。隙間ぴったりの厚さのシートを挿むよりも、薄手のものを折って厚さを稼いだ方が密着度が良いようだ。
御影石ボード ガタ取りその1
ガタ取りその2
3段重ねのラックは、ありがたいことにラック間ではガタが無かった。しかし、御影石ボードの上に載せてみると、ガタが発生。5cm角にカットした0.5mm厚鉛シートを挿んでガタつきを皆無にした。
ラックの上段には回転メカが有るCDプレーヤーとアナログプレーヤーを設置するので、ガタは絶対に禁物。その点だけで言えば、一応、理想に近いセッティングができたわけだ。
ただ、これは0.3mm厚を半分に折った物を挿んだ方が良かったかもしれない。両者の密着度の違いに気が付くのは、もっと後で行なうスピーカーのガタ取りの時で、鉛シートを折って重量物のスペーサーに使う場合、厚さは隙間よりほんの少し(0.1〜0.2mmくらい?)厚めにするのがコツのようだ。
ガタ取りその2
(3)ラック棚板の振動対策
ラック棚板の隙間
21mm厚合板ラックの棚板は密着すれば42mm厚になるのだが、反りがあると、左写真のように隙間が生じてしまう。この隙間を無くすには、450×250×8mmの鉛ボードを 2枚TGメタルに特注して棚板の上に敷けば、重さで密着するだろうが、コストがかかるし、見た目もよくない。それに重量物は微細な振動の蓄積器(コンデンサー)になってしまう可能性もあるので、右写真のコンクリート製フラワーベース(盆栽棚)を使って、棚板の振動を遮断(=吸収)する。
フラワーベース(盆栽棚)
フラワーベースによる棚板の振動のインシュレーションは、故長岡鉄男氏のアイデアだ。サイズは1,500×300×18mm。価格は昭光物産株式会社が運営する「園芸・建材リサイクル市場」で¥1,350。商品名18ラムダ150、メールやTELで通販可。ちなみに神戸までの送料は4枚まで¥1,700(2003/06現在)。
押出し成形で平面性は極めて良好、上面には浅い溝が19本、断面には22個の穴が貫通している。これを替刃式サイディングボード専用ノコギリで 500×300mmの3枚にカット、その内の1枚を 500×150mmの2枚にカット。両者を組み合わせると 500×450(300+150)mmのボードが2セット出来上がる。
ガタ取り悪例
ボードと棚板は十分な接触面積を確保することがポイントなので、スペーサーは必要最小限に留める。バツ印がついた写真はスペーサーが大き過ぎた悪い例で、ガタは取れるが、ボードと棚板が密着しないので、棚板の振動を十分に吸収し切れず、また、ボードの鳴きが残ってしまって、十分な効果が得られない。
機器を載せてもまだボードの隅に隙間が残っている場合に、機器を少し持ち上げて、右写真のように必要最小限のスペーサーを挿むようにする。スペーサーを挿んだらボードの上に乗って、体重をかけてプレスすると良い。ボードの両隅を叩いて「コッ、コッ」とダンプされた音になればOKである。(2002/07/28)
必要最小限のスペーサー
(4)ラックへの機器のセッティング
0.2mmゴムシート
機器のセッティングは特に難しいことはない。大抵の機器の脚には、フェルトやゴム等が貼ってあり、多少の高低差は吸収して、なおかつスリップを防ぐようになっている。ところが金属面そのままのリジッドな脚の場合は、滑ってしまうことが多い。金属だと摩擦係数が小さいのである(だからこそ滑るわけだが)。
こういった場合には、0.2mmゴムシート(50cm角、東急ハンズで¥780)を脚より少し大きめにカットして、脚の下に敷くと良い。”ゴムは柔らかいからダメ”と嫌う人もいるが、接触面積が大きければコンプライアンス(柔らかさ)は減少するし、密着度が増すことでダンプ(damp、振動の制動)効果も多少は出てくる。
滑り止め&隙間埋め
0.2mmゴムシート 滑り止め&隙間埋め
(5)スピーカーのガタ取り
スピーカーは、オーディオ機器の中でもっとも大きな振動源だ。そのため、スピーカーのガタ取りは慎重の上にも慎重を期する必要がある。3点支持はもっとも少ない支点でガタ無しのセッティングが可能だが、大型バックロードホーンスピーカーは重心の位置が高いため、脚で構成される面積が底板よりも小さい3点支持では安定性に不安が残る。その反面、4点支持は確かにガタが発生しやすいが、それさえ抑えられれば、安定性は3点支持を上回るので、4点支持(四隅支持)でガタ取りを行なった。
スピーカーのガタ取り1 スピーカーのガタ取り2 自作沢村式改大型インシュレーター スピーカーのガタ取りツール一式 スピーカーの四隅支持
スピーカーのガタ取り
その1
スピーカーのガタ取り
その2
自作沢村式改
大型インシュレーター
スピーカーの
ガタ取りツール一式
スピーカーの四隅支持
スピーカーのガタ取り1
スピーカーを床に直置きにしたところ、2本とも左側の辺に前から後ろまで約2mmもの隙間が生じてしまった。そこで、左写真のように前後2ヶ所に鉛シートのスペーサーを挿んだ。最初、隙間ぴったりの2mm厚の鉛シートを挿んだが音はイマイチ。よく見ると、鉛シートがスピーカーの底に密着していない。厚さがある分、柔軟性にやや欠けるようだ。時間が経てば密着すると思うが、それまで待てないので、右写真のように薄手の鉛シートを折って挿んだ。
スピーカーのガタ取り2
自作沢村式改インシュレーター上面
さて、鉛シートで一応ガタは減少したが、左辺が浮き上がっているということは右辺は線接触に近い状態で、床とスピーカーの接触面積があまりにも少ない。もう少しガッチリと四隅でスピーカーを支えるために、故沢村とおる氏考案のインシュレーターを大型にして使うことにした。オリジナルは、Φ40×5mmの鉛円盤2枚でブチルゴムをサンドイッチして、周辺に0.05mm厚の真鍮箔(10cm×1mで¥650)をエポキシ接着剤で貼り付けたもの。
自作沢村式改インシュレーター下面
スコッチ強力荷造りテープ
これをΦ80×5mmの鉛円盤を用いて大型化し、上面には美観とダンプ効果の向上を狙って、Φ81mmの銅円盤をエポキシ接着剤で貼り付けた。周辺部は真鍮箔の上から、ガラス繊維で補強されたスコッチの強力荷造りテープ(¥480)を重ねて巻いて、100kgを越すスピーカーの重量に耐えられるようにした。設置は、インシュレーターの下に0.2mmゴムシート、銅板と底板の間にも5cm角の同ゴムシートを挿んで密着度を上げ、スリップを防ぐ。
スピーカーのガタ取りツール一式
スピーカーのガタ取り3
この自作大型インシュレーターをスピーカーの四隅に挿んだところ、やはりガタは生じたが、右のスピーカーは5cm角の0.3mm厚鉛シートを1枚、左のスピーカーは1mm厚鉛シートを1枚、それぞれ1ヶ所に挿むことで取れた。銅板と底板との間に挿んだゴムシートは、以前は4cm角0.3mm厚だったが、5cm角0.2mm厚に変更することで、よりシャープでクリアで繊細な音になったように思う。ゴムシートは薄手を大面積で、という原則どおりの結果である。
スピーカーの四隅支持
セメダインTP−215
音は四隅支持が断然良い。故長岡鉄男氏の名著「オーディオA級ライセンス」に記述されていた『底板はかなりの振動がくる部分であり、これと置台との接触の仕方で音が変わる』 『振動が少ないのは、底板の周辺部である。特に四隅は強度が大きく振動が少ない。スピーカー本来の音を生かす無難な置き方は底板周辺部だけで置台に接触させる方法だ。特に四隅だけで支えるとよい』 が、実証された形だ。床とスピーカーの間には1cm余の隙間が空くので、A4サイズで約6mm厚のフェルトシート(セメダインTP−215、¥860)を挿入した。音のなめらかさの向上に効果があったと、個人的には感じている。
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