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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2001/12/29> ←前へ 次へ→
3.エネルギーはあるがままに〜セッティング〜 1)ラックについて
(1)ラックとは何か
ラック(rack)は平たく言えば 『棚』である。故長岡鉄男氏が書かれていたように、ラックは必ずしも必要な物ではない。床が強靭で振動が伝わらずびくともしないのであれば、オーディオ機器は床に直接置く方が音は良い。もっとも、そんな理想的な床、しかも何台もの機器を置けるスペースに恵まれた部屋は滅多にないから、必然的に機器を多段積みにして効率よく収納するラックが必要になる。本や小物を収納する場合は本棚やカラーボックスで事足りるのだが、ことオーディオに関しては”音”が絡んでくるので、振動が大敵であるオーディオ機器を収納するためのラックに、そんなヤワなものを使うわけにはいかない。

オーディオラックに必要な条件は、i)床やスピーカーからの振動や音圧が伝わりにくい事、ii)機器の放熱を妨げない事、iii)可能であればラジエーション(不要輻射)を低減できる事、など他にも色々あると思うが、いずれにしてもすべての条件を満たすことは困難だ。

メーカー製では、TAOCのラックが有名で音も良いし無難だと思うが、ローコスト・ハイクォリティで自分の機器にあった寸法のラックが欲しければ、自作するしかない。もっとも最近ではオーダーメイドで安価に受注ラックを製作してくれるメーカーもあるので、どうしても工作は苦手、あるいは工作が出来ない環境の方は、そこを利用されると良いだろう。実は自分も試しに導入してみた事がある(安いし、たまには楽もしたかったので)。音は決して悪くはなく、ハイCPでなかなかいいラックだが、重量級の機器(ADプレーヤ−)を上部に載せるには不満が出てくる。手間隙はかかるが、やはり故長岡鉄男氏考案の、次項の自作ラックの方が重さも頑丈さも上だ。
(2)ラックの構造(故長岡鉄男氏考案)
市販のラックはほとんどが 図a のように側板、または4本の支柱の間で棚板を支える構造になっている。この構造はラックの背が高くなるほど、横からの力の影響を受けやすく上部が不安定になりやすい。また、4本支柱タイプではそれに加えて前後からの力と、ねじれるように回転する力に対しても影響を受けやすい。こういった振動の影響を受けた場合、図a の構造ではそれがラック全体に容易に伝わってしまう。そこで、今回自作するラックでは 図b のように箱を積み上げる方式を採用することにする。箱単体の強度は小型化することで図a より大きくなるし、箱同志を接着せず積み重ねることで、部分的な振動がラック全体に伝わることを多少なりとも防ぐことが出来る。ただし、単に板を4枚口の形に組み合わせるだけでは側板の強度が不足するし、棚板は実質2枚重ねになるのに対して天板と底板は1枚だけとアンバランスになってしまうので、図c のように側板の板厚を増やし、天板・底板を2枚重ねと強化する。
図a)一般的なラック 図b)箱積み型ラック 図c)箱積み強化型ラック
 
     
 
 
 
 
 
 
     
 
 
     
 
 
     
 
 
 
     
 
 
     
 
 
     
 
 
材料は入手が容易な21ミリ厚合板を用いる。2枚重ねにすることで、板厚すべてが実質42ミリ厚と極めて強靭になる。合板にはラワン合板とシナ合板がある。シナ合板は、ラワン合板の表面に薄いシナ材を貼ったもので、表面がラワン合板よりきれいだ。気持ち程度とはいえ、ダンプ効果も見込める。シナ合板の値段はラワン合板の約2倍だが、ラックにはシナ合板の方が好適だと思う。
(3)ラックの寸法
合板はサブロク(3×6尺)と呼ばれる約91×182cmの大きさが標準なので、板取りしやすいのは45×60cmが6枚、これを天板・棚板・底板にする。側板が21×2枚=42ミリ厚なので最大51cmまでの幅の機器を収納できる。オーディオ機器のほとんどは幅50cm以下、奥行きは45cm以上の機器もあるが脚の部分は45cm離れていることはまず無いので実質的には十分だ。注意しなければならないのは、側板の高さの設定である。

収納する機器の高さ+アルファが必要なわけだが、機器の天板と棚板の隙間が2〜3cmや1cm以下といったギリギリのサイズだと、隙間の空気が共振して音質に悪影響が出るし、アンプだと放熱もままならない。こんな状態では、収納するオーディオ機器がベストの能力を発揮できないから、不遇である。機器天板と棚板との距離は最低でも5cm(出来れば6cm以上)、発熱が大きなアンプ等では10cm位の余裕が必要ではないかと思う。これだけ隙間が確保してあれば、機器の出し入れや天板に鉛板を載せるのも楽だ。

さあ、それではいよいよラック製作編に入ることにしよう。
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