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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2001/05/21> ←前へ 次へ→
2.エネルギーの源〜電源〜 8)自作電源タップ
 電源ライン上での接点は少ない方が良いが、壁コンセントの位置が遠かったり機器の数が多いと、電源タップが必要なケースもある。
 オーディオ店で販売されている電源タップは数万円ときわめて高価だが、市販品より低ロスで安価な自作電源タップを紹介しよう。
 ただし、電気を扱うので、ショートなどの配線ミスには十分、注意して欲しい。テスターによる導通チェックは必ず行うこと!

自作電源タップコンセントボックスキャプコン OA-1 OA-155.5スケア VCTツガ角型2連プレート
自作電源タップ コンセントボックス
PVR-16W(約¥620)
キャプコン
OA-15(右¥180)
5.5スケア VCT
¥270/m
(10m以上)
ツガ角型2連プレート
(¥1,200)
(1)基本パーツについて
 コンセント本体は、AET DCT318(¥5,800)は高いので、ホスピタルグレードの松下WN1318(¥1,200)で決まり。問題は、ケーブル本体
 を何スケアにするかだ。前回、電源ケーブルには3.5スケアVCTを使用したので、この電源タップも3.5スケアで作ろうと当初は考え
 ていた。しかし、CDプレーヤーやプリアンプだけならそれでも良いと思うが、今回は4mとやや長めが必要なこと、それにパワーアンプ
 もこのタップに接続せざるを得なかったので、5.5スケアにランクアップした。
 コンセントボックスは未来工業製の露出スイッチボックスPVR-16Wを使用。写真では長さ50mmのパイプ状の2号コネクタを外して、
 コネクタ無しのPVR-AWと同じ姿になっている。キャプコンOA-15オーム電機製の汎用ケーブルクランプで、外した2号コネクタの
 替わりにケーブルの保持・保護のために用いる。5.5スケア VCT は、大阪日本橋の三重電業社で入手した。ここはVCT だけでなく、
 松下WN1318 も¥890と安い。FLチューブは、Zチューブという商品名で売られていた。

タップ仮組み  ←仮組み状態。
 プラグ側は、電源ケーブルと同じLEVITON8215CAT
 を使用。取り付け時の注意点は、前頁を参照のこと。
 もちろん、VCT にはFLチューブを被せて補強する。昔
 に較べると VCT の外被はかなり柔らかくなったので、
 FLチューブは必需品。
LEVITON 8215CATFLチューブ
LEVITON8215CAT FLチューブ内径6mm
(最安値 約¥3,000)     (¥300/m)  
(2)振動対策パーツについて
 買ってきた状態そのままで使用してもよいのだが、何らかの振動対策を施したくなるのが、オーディオマニアの性。対策グッズの定番
 としては、スガワラ(スリオンテック)のブチルゴムテープ・粘着剤付き鉛シート・チューコーフローのテフロンテープ・レゾナンスチップ
 (直径1cmの円板 8個 ¥1,800)などがあるが、今回はあえてそれらを使用せず、東急ハンズで入手した下記グッズを用いてみた。

XETORO 制振シート  XETORO ゼトロ制振シート (¥600) 製造元 イイダ産業株式会社
 サイズ 1.6mm厚×200mm幅×300mm長さ これが何と2枚入(!)
 『ブチルゴム系自己粘着型制振材で、ゴム層とアルミ拘束層間の変形に生じる大きなエネルギー損失に
 より高い制振効果を発揮します。新幹線、自動車の室内音低減等、工業部品に多数使用されていますの
 で、高性能を追求される方に最適です』 と説明されている。原理はレゾナンスチップ(¥1,800)と同じだが、
 こちらの方が遥かに広い面積をダンプ(damp:振動を止める、減衰させる)できるし、何より安い。
VEM  Kincsem HCP スコッチダンプ印 VEM 製造元 住友スリーエム株式会社 発売 ホースケアプロダクツ
 サイズ 150mm×200mm 1枚入(¥580)、200ミリ×300ミリ 1枚入(¥980)
 『VEM(ビスコエラスティック・マテリアル)は、流体のような粘性と、スプリングのような弾性を併せ持った
 力学的挙動をする高分子化合物です。振動体の表面にVEMを貼り、さらにその上に拘束板を貼ると、V
 EMが変形を受け内部抵抗を生じ、これを熱エネルギーに変換することによって、振動を減衰する働きを
 します』 と説明されている。静止状態ではVEMの長い鎖状の分子どうしが不規則にからみあっているが、
 振動が起こると分子が延ばされたり、すべったりするそうだ。見た目は、粘着材付きアルミ板という感じ。
セメダイン フットタックs100  セメダイン フットタックs100 インテリア用粘着フェルト 100mm×100mm 2枚入(約¥320)
 ウール60%のフェルトシートで、厚さは約6mm。色はホワイトの他に、ベージュ・ブラウン・ダークブラウ
 ン・ブラックと全部で5色ある。本来は家具(いすやテーブルなど)の脚底に貼って、床にキズが付かない
 ようにするためのもの。これを何に使うのかというと、コンセントボックス内部の底板に貼って、スピーカー
 の吸音材のような効果を狙う。つまり、空気の共振による振動(密閉に近い空間や狭い隙間などにおいて
 は、空気はバネとして働く)を防ぐのが目的だ。化学繊維100%ではなく、自然素材入りという点で購入。
(3)組み立て その1)コンセントボックスのダンプ
(1)ネジホルダーの切り取り (1)ネジホルダーの切り取り
 コンセントボックスの底には、コンセント
 を取り付けるネジホルダーの出っ張り
 があるので、ニッパーで切り取る。
 ボックスの材質は、結構柔らかいので、
 簡単。
(2)キャプコンのカット (2)キャプコンのカット
 5.5スケア VCT が通る穴の位置で
 キャプコンをカットする。ニッパーか、
 ナイフ(電工用がベター。カッターでは
 ちょっと苦労するかも)を使う。
(3)XETORO制振シートの貼り付け (3)XETORO制振シートの貼り付け
 ブチルゴムを扱うと、手や周囲が汚れ
 やすいので、注意。貼ったあとに叩い
 てみた感じでは、ブチルゴムテープ+
 鉛シートの方が、ダンプ効果は高いよ
 うな気がする(アルミと鉛の差か?)。
(4)フェルトシートの貼り付け (4)フェルトシートの貼り付け
 まるで計ったかのように、ピッタリの
 サイズ。徹底的にダンプしたければ、
 先にスガワラのブチルゴムテープを
 底板に貼っておくと良いだろう。
(4)組み立て その2)コンセントの結線
 手持ちにPCOCCのΦ2mm単線があったので、これと5.5スケア VCT を、リングスリーブの中サイズ(接続断面積 約8スケア、最大
 使用電流30A)で圧着、ハンダ付けして、コンセントと接続した。コンセント間の接続には、ごく普通のΦ2ミリVVF単線を使用。
PCOCCΦ2mm単線 無鉛銀入りハンダ WBT0800 (1)古河 PCOCCΦ2mm単線 (¥1,500/m)
  もともとは、ピンケーブル作製のために購入していたもの。普通のΦ2ミリ
  VVF単線でも問題はないと思うが、良い材料を使うに越したことはない。
(2)WBT 無鉛銀入りハンダ WBT-0800(Φ0.9ミリ 10m/42g ¥2,000)
  銀4%入り。普通の銀入りハンダは融点が200度以上と高温だが、これは
  178/180度と低温融解で作業がしやすい。さすが、WBT。なお、銀製分が
  含まれているため、ハンダ面は鉛ハンダとは違って、くすんだ灰色になる。
電工用圧着ペンチコンセントの結線 (3) コンセントの結線
  電源コードが単線なら、WN1318 背面の挿し込み穴に直接挿せばよいが、
  撚り線の場合は、何らかの処理が必要になる。
   a)末端にハンダをかぶせて棒状にする
   b)リングスリーブで単線と圧着する(写真左の電工用圧着ペンチを使用)
  3.5スケアなら、挿し込み穴を錐で広げて、a)の処理が可能だが、5.5
  スケアでは無理なので、b)しかない。圧着だけでは、接触面積を十二分に
  確保できないため、ハンダ付けで芯線間の隙間を埋めて導電性を高める。
コンセントの組み立て 自作電源タップ (4) コンセントの組み立て
  コンセントの取り付けネジには、壁埋め込みに用いたAET DCT318付属の
  DCT処理ステンビスがちょうど2個分余っていたので、それを用いた。
  2連の木材プレートはツガ材しかなかったが、1連のものよりは当然質量が
  大きく、たたいた感じも悪くない。色は3色あったが、色調による印象の違い
  も大きい。最初、プレート裏にはVEMを貼ったが、VEMはプラスチックなど
  完全な平面に貼る方が効果が大きいようなので、あとで剥がした。
 完成した電源タップは、やはりボックスのダンプが十分でないようなので、ブチル+鉛シートに変えることにした。プレートは、一般的な
 アルミプレートの裏にVEMを貼り、それとツガ材プレートとを比較してみたが、ルックスも含めてツガ材の方が個人的には好きだ。
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