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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2003/09/21> ←前へ 次へ→
2.エネルギーの源〜電源〜 7)自作電源ケーブル
 電源ケーブルは、壁コンセントとオーディオ機器を接続する、まさに生命線だ。最近は3P(ピン)コネクタを備えた機器が増えてきて、
 容易に交換できる。ここでは、低ロス・適切な長さ・安価(約一万円)と三拍子そろって、お得な自作電源ケーブルを紹介しよう。
 ただし、電気を扱うので、ショートなどの配線ミスには十分、注意して欲しい。テスターによる導通チェックは必ず行うこと!

自作電源ケーブルフルテック Fl-15RLEVITON 8215CAT3.5スケア VCTFLチューブ
自作電源ケーブル
右記の他に熱収縮チューブと
ヒートガンがあるとベター
フルテック
Fl-15R
(¥3,800)
LEVITON
8215CAT
(¥4,000)
3.5スケア VCT
¥310/m(10mまで)
¥250/m(10m以上)
FLチューブ
最小内径6mm
¥300/m
(1)コネクタ (フルテック Fl-15R ¥3,800)
 99年の春頃には、機器のインレットに挿し込むコネクタは YAMATEのAP-400(¥550)などの安物しかなかった。AP-400はケーブル
 の芯線を直接ネジに巻き付けてから締める方式で、このタイプはハンダ付けをしないと、良い音にならない。数ヶ月間、これを使って
 いたのだが、夏以降にフルテックが Fl-15(¥2,500)という高級品を出してきた。コネクタ部分は、PCOCC製で金メッキが施してあり、
 芯線を2枚の金属板の間に挿み、それをネジで締める方式。巻き付け式よりも接触面積が大きく、接続も確実だ(ハンダ付け不要)。
 ネジ締めは、まず普通のドライバーで締めて、必ず仕上げにラチェットドライバー(写真参照)を使って、ぎりぎりまで締め上げて
 欲しい(でないと、音がハンダ付けに負けてしまう)。なお、ラチェットで締め過ぎると、ネジ頭が切れることもあるので、注意。

フルテック Fl-15R 箱フルテック Fl-15Rフルテック Fl-15R 接続部  フルテック Fl-15R(¥3,800)
 99年暮れ、Fl-15 は24金メッキ
 の Fl-15G(¥2,800)と、耐久性
 に優れたロジウムメッキの Fl-
 15R の2種類になった。
ラチェットドライバー
ラチェットドライバー
  新製品の Fl-15R は旧Fl-15 より接触圧が大きいようで、インレットとの接続がより確実になり、音の切れも向上した。
 AET DCT−15R(¥6,800)
  フルテックFl-15RにDCT(デュアル・クライオ・トリートメント)処理を施したもの。DCT は極超低温処理で、ザブゼロ処理とクライオ
  ジェニック処理を重ねて行なう処理とのこと。超低温処理は、もともとはドリルの刃やネジの硬度を強化するための技術で、そのため
  コンセントのDCT318もそうだが、部材全体の強度がオリジナルより多少アップしている。つまり内部のバネがより確実かつ強力に
  プラグの刃をホールドできるわけで、それが音に好影響を及ぼしているのだろう。(5)項の噛合せの改善処理で音はさらに良くなる。
(2)L型プラグ(2003/03/24 追記)
 ホスピタルグレードのプラグは、絶縁体部分が円形でコンセントとの接触面積が大きく、また、ホット・コールド・アースの3つのピンで
 接続するため、安定性も良好でプラグがふらつかない――と思っていたのだが、従来のプラグと同じように壁面に対してケーブルが
 垂直に伸びていると、その重みでプラグが抜けてくる。床に置いたテーブルタップに挿してもケーブルは宙に浮いて、足を引っ掛ける
 し、タップそのものも浮き上がってしまう。この問題を解決するために、L型プラグを使用する。

LEVITON 8215CAT LEVITON 8215CAT (FGRコーポレーション扱いで¥4,000 2003/05現在HPからの注文は30%OFF)
 ハッベルと同型番、ほとんど同じ形状のL型プラグ。オーディオ専門店では定価¥5,400 と高価なので、通販
 がおトク。質量は62gでハッベルより少し重い(ハッベルは58〜59g)。これはプラグ本体の形状が違うためで、
 LEVITONは円柱状だが、ハッベルは三箇所がえぐれた三ツ矢形状なのである。電極はハイパフォーマンス・
 ブラス(真鍮)でメッキなし(ハッベルは1本だけニッケルメッキ)。LEVITONの耐衝撃性能は特に優秀なよう
 だ。なお、ネジはかなり固めなのでラチェットドライバーが必須。音は高域の純度でハッベルに差をつける。
従来プラグ(上) ハッベルHBL8215CAT(下)ハッベル HBL8215CAT 箱ハッベル HBL8215CATハッベル HBL8215CAT ケーブル引き出し部  ハッベル HBL8215CAT (¥4,000)
 このL型プラグは、ケーブルを8方向に引き出す
 ことができる。芯線の取り付けは、Fl-15 と同じ
 ネジ留め式なのでラチェットドライバーを使う
 こと。ケーブルに 3.5スケア VCTを使うので、
 内部の黄色い仕切り板は要らない。
(3)ケーブル (3.5スケア VCT と FLチューブ)
 一般的な家屋の屋内配線は、1.6mmの単線VVF(通称テンロク)だ。断面積は2.0スケア(=平方ミリメートル)なので、ケーブル
 の線材には最低でも同面積のものを使いたい。ここでは、一回り太い3.5スケアのVCT(ビニルキャブタイヤ)を使う。


 なぜキャブタイヤケーブルなのか? 1メートル当り約¥300 と極めて安いということもあるが、電力工事用なので耐電圧性が高い。
 規格上、水中で 3000Vの電圧に1分間耐えるように作られている。外径も12mmと太く、2本の芯線をシース(外被覆)でがっちりと
 ホールドしていて、振動によるロスが少ない。なお、芯線は純度4N(99.99%)のTPC(タフピッチ銅)だ。
 ケーブルは電流が流れれば、フレミングの法則で微小ではあるが振動する。逆に外から振動が伝われば、やはりフレミングの法則
 で音楽信号とは関係無い微小電流が流れてしまう。つまり、振動は「百害あって一利無し」なので、丈夫な VCT が必要なのである。


 なお、コンセントをホスピタルグレード(3穴)に交換しても、一般家屋ではホットとコールドしか配線されないので、コンセントの丸穴
 (アース)には何もつながっていない。したがって、VCT も 2芯の物を用いて、コネクタとプラグのホットとコールドを結線する。


 FLチューブは、VCT に被せて使う。FLチューブは、ポリエステルの編組であり、そのため内径が伸縮自在でケーブルを通すのは楽。
 これを被せることで、ケーブル全体のダンプ(共振を抑える)効果を高める。聴感上では、SN比が向上して低域が力強くなり、情報量
 が増えて、歪み感が減る。振動モードが異なる素材を接着ではなく、密着させ重ねることで、ミクロレベルで摩擦が発生して、振動を
 熱エネルギーに変換・消費して吸収してしまうらしい。なお、FLチューブはデンカエレクトロンの商品。自分はオヤイデ電気の通販
 品川商工SFチューブを購入した。最小内径6mm〜拡大最大径24mmで¥300/m と安いが、効果は大きい。
3.5スケア VCTFLチューブ  3.5スケア VCT と FLチューブ(写真は品川商工SFチューブ)
 オヤイデ電気 〒101-0021 東京都千代田区外神田1-4-13 秋葉原駅下車、
 総武線高架下 東京ラジオデパート前 03-3253-9351(代) 定休日:日曜日
 通販可、オンラインショップ有り。
 詳しくは、音元出版の季刊誌 「AudioAccessory」 に掲載の広告を参照の事。
(4)ケーブルの方向性
ケーブルやコード類には 「VCT 3.5 FUJI E.W.C 1998」 というようにメーカー名や電線の種類などが記してあることが多い。この文字の流れを、信号の流れ(コンセント→機器、CDプレーヤー→アンプ、アンプ→スピーカー)と同じにするか逆にするかで音が変わる場合がある。その理由としては、製造工程で芯線の元が一方向に引っ張られて細い線に加工されるから、ケーブルに方向性ができるのだという説がある。
しかし、これも電源の極性と同じで自分の好みに合わせればいいので、何度か正逆を試してみて音の活きがいいと感じる方にすればよい。ケーブルのメーカーや種類によって、正逆のどちらがいいと一概には言えないので、自分で確かめてみるしかない。もちろん、正逆で音の差が分からなければ、ケーブルの方向性を気にする必要はない。
(5)組み立て
 作業に入る前に、電源ケーブルの極性方向を決めておこう。極性は2-1)交流電源の極性の(3)を、方向は前項(4)を参照のこと。
(1) Fl-15R と3.5スケアキャブタイヤを接続する(2) FLチューブを被せる (1) Fl-15R と3.5スケアキャブタイヤを接続する。
   芯線は1〜1.5センチくらい剥く。軽く捩って棒状にしておく
   と、差し込みが楽。芯線には指を触れないで(皮脂が付く)、
   ラチェットドライバーで締める。真中のアースは結線不要。
(2) FLチューブを被せる。
   ばらけるのを防ぐため、末端を熱収縮チューブで固定する。
(3) 熱収縮チューブ(4) ヒートガン goot HG-910SET (3) 熱収縮チューブ ¥300/m(オヤイデ電気)
   SUMITOMO SUMITUBE F 105℃ VW-1 -F-。内径15ミリの
   ものを適当な長さ(自分は7センチにした)に切って被せる。
(4) ヒートガン 定価¥9,000〜¥18,000(!)
   熱収縮チューブはドライヤーではうまく縮まないので、ヒート
   ガンを使う。写真はgootのHG-910SET(定価¥18,000)。
 ヒートガンを買うと、一万円を大幅に超過してしまう(^^;)が、自分が東急ハンズで HG-910SET を入手した時は、ナゼか¥8,000
 程度だったのである。HG-910単品(温度連続可変式)は定価¥14,800、温度切換式のHG-900でも定価¥9,000とやはり高価だが、
 ネット上には結構な値引きで購入可能なショップもあるので、そういう所を利用するといいだろう。ヒートガンを入手する前は、末端
 にビニールテープを巻いて固定していたのだが、この方法は FLチューブがズレて動いてしまうのが難点だ。
(2001/02/25 追記)
LEVITON 8215CAT自作電源ケーブル (5) プラグにキャブタイヤケーブルを接続する。
   LEVITON 8215CAT の取扱説明書で指定された寸法で
   ケーブル末端を剥いて接続する。完成写真はハッベルだが、
   音はLEVITONの方が良い。LEVITONはすべてのネジが
   かなり固めなので、芯線のねじ締めはもちろん、カバーや
   ケーブル固定具取付けにもラチェットドライバーは必須。
(6)噛合せの改善(2001/12/01 追記)
 完成した3Pコネクタを機器のインレットに挿し込むとすぐに分かるが、普通は隙間があるために簡単にぐらついてしまう。故長岡鉄男
 氏が「電源&アクセサリー大全2000」でレポートされていたが、インレットとコネクタの寸法(幅・高さ・奥行き)には厳密な規格がない
 ようで、Fl−15Rも汎用性を持たせるためだと思うが、挿込み部分は高さが15→16mmと軽くテーパーがついている。しかし、それで
 もぴったり収まってガタが無いという状態にはまずならない。そこで、噛合せの改善を行うことにした。
(1)対策前のFl−15R(2)粘着材付き鉛シート (1) 対策前の Fl-15R
   コネクタ本体は、ヤスリの歯が立たないほど硬くて頑丈。
(2) 粘着材付き鉛シート
   くずてつさんの2001/11/30の日記に流離いの旅人さん製作
   のプラパテコーティング品が紹介されていたが、工作が大変
   なので、20×75mmにカットした粘着材付き鉛シートを使う。
(3)鉛シートの巻き付け(4)噛合せの改善 完成 (3) 鉛シートの巻き付け
   テーパーがついているため、巻き終わりは現物合わせでカット
   する。それが面倒なら、20×70mmを使うとぴったりとは合わ
   ないが最後に重なる部分を少し切るだけで良い。
(4) 噛合せの改善 完成
   VRDS-25XSのインレットに挿し込んで効果を確認。大成功!
 対策後のコネクタをパソコンの電源に使用してみたら、生録CD-Rの音質向上に劇的な効果があった。プラグに鉛シートを巻きつけた
 だけで、これだけの効果は極めてCP(コストパーフォーマンス、性能対価格比)が高い。オーディオマニアのみならず、高音質CD-R
 マニアにも、絶対の自信を持ってこの対策をお勧めする。
(7)インレットの締め付け(2003/01/27 追記)
 自作電源コードのインレットに使用したフルテックのコネクタはABS樹脂製で極めて頑丈だが、硬いということは振動が伝わりやすい
 という面もあり、その対策として、径の大きな熱収縮チューブをすっぽり被せてダンプするという方法がある。
 オヤイデ電機通販ページ、「各種チューブ」の項で販売されている、スミチューブB2(40/13)がそれだが、¥1,400 とやや高価だ。
 コネクタ全面をダンプできるのは魅力だが、後々のメンテナンスがやりにくくなるのが気になる。フルテックのコネクタはケーブル芯線
 をねじ止めするタイプなので、半年なり1年なり使用したら、定期的にカバーを開けて増締めした方がよいと思う。
 そこで、手軽にインレットをダンプする方法として、熱収縮チューブの替わりに、結束バンドでインレットの締め付けを行うことにした。
(1)結束バンド(2)インレットの締め付け (1) 結束バンド
   コンベックスタイラップインシュロックタイ などと呼ばれて
   いる、ナイロン66製の結束バンド。写真はコンベックス、長さ
   15cmが100本入りで約¥400(つまり1本たったの¥4)。
(2) インレットの締め付け
   巻き付けて先端を穴に通してペンチで引っ張って締め付ける。
   ロック機構付きで、緩まない。余った先端はニッパーでカット。
 上の写真はパソコン電源の物だが、CDプレーヤーとプリアンプのインレットに使用してみた。劇的な変化は無かったが、弦の繊細さや
 女性ボーカルの色気・艶というような、細やかな部分で効果を確認できた。
(8)プラグの電極磨き(2003/09/21 追記)
 昨今では電源の大家という印象のあるオーディオ評論家の福田雅光氏が「電源&アクセサリー大全2004」で発表されたテクニック。
 LEVITONの8215CAT は電極がメッキなしの真鍮なのだが、平面性の精度向上と表面の酸化を排除するために、耐水ペーパーで
 これを磨くのである。ペーパーの粒子は2000番程度、適当な木片や定規などを併用して水平に注意して磨く。全体に平均して光沢が
 出ればOKだ。もちろん、このテクニックはメッキしてある電極には使えないので、注意。
(1)耐水ペーパー(2)プラグの電極磨き (1) 耐水ペーパー
   ごく普通の耐水ペーパー(3M製)。左が2000番で、右が
   2500番。2000番だけでも良いのだが、せっかくなので、
   2500番を使って仕上げてみた。
(2) プラグの電極磨き
   耐水ペーパーで磨いた後の真鍮紛は、セーム皮やハイテク
   クロスで拭き取る。液体の類は使わない方が良いようだ。
 コンセントのバネに直接接する部分なので、影響は大きい。特にプラグを垂直に挿さざるを得ない(上に鉛などの重しを載せられない)
 壁コン部分で変化が大きかった。高域の出方が変わるので、全体のバランス調整が必要になるケースもあると思うが、プラグの電極
 がメッキなしタイプであるのなら、ぜひ実施して欲しい。
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