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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2004/08/23> ←前へ 次へ→
2.エネルギーの源〜電源〜 6)ホスピタルグレードコンセント
ここで紹介している壁コンセントの取り付け工事には、電気工事士の資格が必要だ。近所の電気屋さんに依頼すべし!
ホスピタルグレードコンセント松下 WN1318 前面松下 WN1318 後面松下 WN1318 横コンセント・ベース・ボード
ホスピタルグレード
コンセント
松下 WN1318
(¥1,300)
松下 WN1318
後面
松下 WN1318
コンセント・
ベース・ボード
(1)屋内配線
新築・改築をする際でもない限り、屋内配線に手をつけることはできない。我々が工夫できるのは壁コンセント以降だ。もしもその予定があるのであれば、以下の点に注意するとよい。
電力の契約容量(通常60A程度)は可能な限り、ワンランク上の余裕ある容量で契約する。
分電盤からオーディオルームへ専用の配線工事をする(アンプなどのアナログ系とCDなどのデジタル系の2系統がよい)。
配線は2.0mmの単線VVF(電流容量約20〜25A)を使う(2.6mmもあるが、配線工事がやりにくくなって業者には嫌がられる)。
*
VVFの許容電流には厳密な規格はないそうで、各社が様々なデータからある程度の余裕を見て算出しているそうだ。
カワイ電線様、質問にお答えいただきありがとうございます)
近年では環境への配慮からシース材料にポリエチレンを用いたEEFという電線も登場してきている。ポリエチレンは、VVFのシース材料のPVC(ポリ塩化ビニル)より耐熱温度が高いので、電流容量は約30%もUPする。しかし、質量は逆に約6%軽くなっているので、振動には若干弱くなっているかもしれない。
オーディオルームは赤−白系統、一般配線は黒−白系統というように、分電盤からの配線を分ける( 「2-1」を参照のこと)。
理論上は単相3線式は赤−白と黒−白の負荷バランスが取れている状態がベストなのだが、現実的にその実現は不可能に近い。オーディオルームと一般配線を赤−白と黒−白で分けると負荷バランスはくずれるが、それを気にする必要はほとんどないだろう。
なるべく配電盤に近い所から分岐して、コンセントまで極力短い距離で配線を引き回すこと(可能な限り、数珠つなぎにはしない)。
(2)ホスピタルグレードコンセント (2004/08/23 追記)
一般の2Pコンセントとプラグは、コードに足が引っかかった時の事故を防ぐため、簡単に抜けるようになっている。これでは導体部分の確実な接触は期待できない。また、プラグは絶縁体部分が長方形で接触面積が小さく、容易にふらつく。接点が微小レベルで振動していると直流抵抗も絶えず変動するので、音質上、大きな問題となる。これと正反対なのが、医療現場で使われるホスピタルグレードコンセントだ。3Pなのでプラグが抜けにくくなっていて、その他にも下表のような違いがある。
コンセント 保持力 *接触抵抗(アース) *接点 *長期の耐久性
一般用 10〜60N(2P)
15〜60N(3P)
JIS:50mΩ以下 黄銅を曲げただけ 接点が磨耗したり接触圧が弱くなったりする
医療用 15〜60N(3P) JIS:10mΩ以下
UL: 2mΩ以下
黄銅にニッケルメッキを施し
強化用の補助バネが有る
上記の現象が少なくなるように配慮されている
40mΩの抵抗差は 3.5スケアのキャブタイヤケーブル4m分にも相当するので、音質向上に大きな影響がある。

 
 
 
この項目は音元出版発行『電源&アクセサリー大全2000』の柴崎功先生の「電源の基礎知識」から引用。ただし、同記事内では接触抵抗の値が負荷電流が流れないアース(接地極)の規定値であることが明記されていない。JISでは通常の刃受け部分の接触抵抗については一般用・医療用ともに温度上昇試験で30℃以下とのみ定められており、接触抵抗値の規定は無い。UL規格は未確認。参考:JIS検索 規格番号T1021(医用差込接続器) C8303(配線用差込接続器)、松下電工商品仕様検索 WN1318仕様図
(3)松下 WN1318(¥1,300) と ブナ材プレート(¥980〜¥1,300)
ホスピタルグレードコンセントは、JIS規格の松下 WN1318 (¥1,300)が安価で音も良く、入門用としてお奨め。プレートはコンセント枠と振動モードが異なる非金属系を推奨。ブナ材は重く堅く、叩いた時の響きも素直で良いが、プレート無しがベストだという説もある。
松下 WN1318 前面松下 WN1318 後面松下 WN1318 横
松下 WN1318 (¥1,300)
質量139g。この種のコンセントとしてはもっとも重い。また鉄製の固定プレートがよくある枠状ではなく、本体背面をコの字状に支えていて、金属によるループを持たない構造が特徴。ケーブルの取り付けは、差し込み式のワンタッチ(超強力なバネが効いている)で簡単。
AET DCT318(¥5,800) DCTステンプレート、取り付け用 4×15 DCTステンビス付属(BOX取付け用で、壁取付けには短い)
松下 WN1318 にDCT(デュアル・クライオ・トリートメント)処理を施したもの。DCTとは、最近話題になっている極低温処理で、DCT318 は、-196℃の液体に20時間沈めて、原子レベルでのストレスを解消、物性を整えることで音質が向上しているという。映像系の壁コンセントの WN1318 を DCT318 に交換したところ、確かに映像の切れや奥行き感が向上した。もっとも、これは一緒に使用している並列電源ラインフィルターQuietLineの効果も同時に高まったせいかもしれない。
音声系の壁コンセントも交換したが、こちらは最初あまりパッとしなかった。ある程度のエージングが必要のようだ(100時間以上?)。コンセント本体のストレスが除去されたとしても、取付けによる機械的たわみや通電による温度変化はストレス要因のはずだから、その影響が返って大きく出てくるのかもしれない。エージングが進むと音も良い方向に向かう。いずれにせよ、DCT処理で元の WN1318 より悪くはなっていないようだから、壁コンセントに試してみて損はないと思う。 (2001/05/21 追記)
KITAイタリア.#6853 前面KITAイタリア.#6853 後面MELODY SP-27 前面MELODY SP-27 後面
ブナ材プレート (¥1,300) 東急ハンズ扱い
左の写真の角型が、KITA(0429-49-6221)のイタリア.#6853(\1,300)。一般的に入手しやすいのは楕円型のMELODY SP-27(\980)だが、ネジ穴付近の縁と、壁との接触面積はKITAの方が大きい。ビスの締め加減で、音が変わる。締め過ぎず、緩過ぎず、適度に。
(4)コンセント取り付けネジ (2002/03/16 追記)
壁コンセントの取り付けには、直径4mmの皿小ネジが使われる。普通は鉄製で、何年もの歳月が経つと湿気やネジに重ねて貼られた壁紙の糊などで錆びてしまうし、そうでなくても数ヶ月で締め付けが緩んだりしてくる。また鉄は磁性体なので、電流が流れる間近での使用は出来れば避けたい。そこで、この取り付けネジを非磁性体で錆びにくいステンレス製に交換し、さらにネジ頭付近をダンプした。なお、このダンプ処理はレクスト西野社長のネジ頭ダンプのアイデアを発展させたものである(実験精神旺盛な西野氏に感謝)。
ステンレス皿小ネジ (1)ステンレス皿小ネジ
 直径4mm。4本で¥120。長さは各
 環境で必要な物を用意する。自分の
 家では、25mmと30mmを使用した。
 重さは鉄ネジとほぼ同じだが、ステン
 レス製は硬くて丈夫で高級感がある。
コンセント取り付けネジの交換 (2)コンセント取り付けネジの交換
 コンセントカバーを外すと、コンセント
 本体と取り付けネジが見えるので、
 ネジを交換する。上下のネジは一度
 に外さず、1個ずつ交換するとコンセ
 ントが動かないので、作業しやすい。
コンセントネジのダンプ材 (3)コンセントネジのダンプ材
 粘着材付き鉛シートを1cm×3cmに
 カットして、それにブチルゴムを貼って
 ダンプ材を自作する。材料については
 2−6で詳しく紹介する。
 構造的にはレゾナンスチップと同じ。
コンセント取り付けネジのダンプ (4)コンセント取り付けネジのダンプ
 自作したブチル+鉛のダンプ材を、
 写真のように、取り付けネジの頭も
 含めて、コンセント枠に貼り付ける。
 振動する物とダンプ材の接触面積が
 重要なので、しっかり押さえて貼る。
 今回の対策に限らず、オーディオはどこを触っても音は変わるが、その効果の原因を特定するのは実はたいへんに難しい。コンセント
 やコンセントカバーのネジの締め付け具合でも音は変わるし、一度電源コンセントを抜くわけだから、コンセントとプラグの接触の状態、
 更にはアンプやCDプレーヤーの動作状態も厳密に言えば、同じではないからだ。これらの条件を同一にしない限り、「**が効いた」
 と断定は出来ないのである。
 それを承知で、今回の対策の結果を報告させてもらうが、鉄からステンレスへの交換だけでも音の見通しが少し改善されたようである。
 ダンプ材の貼り付けで、その改善が更に上乗せされる感じだ。精神衛生的な面もあるだろうが、対策を行なう価値はあると思う。
(5)コンセント・ベース・ボード (2002/10/06 追記)
 壁コンセントの取り付けは、一度でもやったことがある人ならよくわかると思うが、壁の強度が小さくて、しっかりと固定できない場合が
 ある。ネジを締めるとコンセントが壁に埋まっていき、漆喰だとボロボロとくずれてしまうこともある。この対策として、オーディオ狂カメラ
 マンの山本博道氏がSTEREO誌2002年7月号で発表されたのが、コンセント・ベース・ボード。基本構造は、まず壁にコンセント固定
 用のベースを取り付けて、強固な足場を確保した上に、壁コンセントを取り付けるというものだ。今回は結線済みのコンセントに使用した
 ので感電の危険性は少ないが、結線から行なう場合には、電気工事士の資格が必要。

コンセント・ベース・ボード (1)コンセント・ベース・ボード
 適当な厚みの適当な大きさの板を使
 う。写真はSTEREO誌で紹介された
 厚さ15mm、10cm×15cmのタモ
 の飾り台(東急ハンズ扱いで¥300、
 加工賃¥4〜600、質量約100g)。
コンセント・ベース・ボード2 (2)皿ネジ取り付け部分の加工
 穴は縦73mm×幅40mmが基本で
 (松下WN1318 は幅42mm)上下の
 切り込み部は幅4mm×長さ10mm。
 ここを深さ約2mmほど斜めにザグり、
 皿ネジを取り付けられるようにする。
コンセント・ベース・ボード3 (3)ベース・ボードの取り付け
 ベース・ボードを直径4mmのステン
 レス皿ネジで、しっかりと固定する。
 ネジの長さは30〜50mmが必要。
 コンセント取り付け用の下穴4箇所を
 現物合わせで、キリであけておく。
コンセント・ベース・ボード4 (4)コンセント取り付け1
 コンセントの取り付けには直径4mm
 長さ10mmのステンレスのタッピング
 なべネジを使う。一度80〜90%ほど
 締めてから外して、盛り上がった部分
 (写真参照)を削って平らにする。
コンセント・ベース・ボード5 (5)コンセント取り付け2
 ベース・ボードにコンセントを取り付け
 る。非常にしっかりとしており、グラつ
 きやガタつきは皆無。音質優先なら、
 下手なプレートは付けない方が良い。
 (ブナ材のは飾り台には大きかった)
コンセント・ベース・ボード6 (6)コンセント基部のダンプ
 (5)の状態では、音にやや雑味がある
 ので、コンセントの基部をダンプする。
 35mm×20mmにカットした1mm厚
 鉛シートに、同サイズのブチルゴムを
 貼った自作ダンプ材を貼り付けた。
 (6)のダンプ材は1mm厚鉛シートだけで8g、ブチルゴム込みで9g。(5)と(6)では音が違うので、コンセント基部のダンプは是非とも
 行なって欲しい。音はコンセント・ベース・ボードを用いることで、DCT-318が初めて真価を発揮したように思う。当然といえば当然だが
 ヤワで薄い壁ほど効果が大きい。コンセント・ベース・ボードのアイデアを発表して下さった、山本博道氏に感謝したい。
 なお、9月にアコースティックリヴァイブから、高比重2017超ジュラルミン材のベース・ボードCB-1(¥9,800)と高分子ポリマー材の
 プレートJAC-1、JAC-2(各¥4,800)が発売された。高価過ぎると思うが、お金に余裕がある人はそちらを使っても良いだろう。
(6)コンセントのダンプ(2002/10/12 追記)
コンセントのダンプ コンセントのダンプについて
 コンセント・ベース・ボードを用いて、プレート無しになった結果、ベースとコンセントとの隙間が大きくなった
 ので、この部分に適当なダンプ材を挿み込んで、安定性の向上を図ることにした。
 また、上のコンセントが空いた状態ではバネが共振するのではないか。そこで、ダミープラグを差し込んで
 上下両方のコンセントを使用するようにした。上下のプラグの間にもダンプ材を挿めば、安定性は更に向上
 するので、一石二鳥である。
メモリーフォーム メモリーフォーム (33cm×29cm×厚さ2cm、¥3,440) 東急ハンズ扱い
 ダンプ材には、発砲ウレタンを使うことを考えたのだが、経年変化でヘタってしまうのが難点だ。そこで東急
 ハンズで見つけたのが、写真のメモリーフォームだ。取扱いは 山光油業株式会社。NASA開発の新世代
 素材ということで、サイズが同じで厚さが1cm と 0.5cm の物もある。高密度ウレタンフォームで、普通の
 発砲ウレタンの2〜5倍の密度で、衝撃吸収力は90%以上、へたりなしの100%の復元力を有している。
 隙間の1.5〜2倍ほどの厚さにカットして挿むとプラグが具合よく安定する。色々な場所に応用できそうだ。
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