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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2001/02/06> ←前へ 次へ→
2.エネルギーの源〜電源〜 1)交流電源の極性合わせ
どんなに高価なオーディオ装置でも電気がないと働くことはできない。つまり電源はあらゆるオーディオ装置の土台であり、いかにロスの少ない電源を供給するかが、装置の能力をフルに発揮するための最重要ポイントだと言える。オーディオとはつまるところ、電源が供給する電気的エネルギーを最終的に音波に変換する仕事なので、電源が疎かでは話にならない。電源の重要性を知らないままでは、オーディオ機器はその性能を充分に発揮できないから、もったいない話だ。逆に、これからのページで紹介する対策を行なっていけば、中級機で高級機を上回る再生音が可能かもしれない(!?)。まず最初に、交流電源の極性合わせを説明する。
分電盤 一般壁コンセント 検電ドライバー デジタルテスター
分電盤(ブレーカー) 一般壁コンセント 検電ドライバー(¥500〜) デジタルテスター
(¥4,000〜5,000くらい)
家庭用の壁コンセントに供給されているのは100Vまたは200Vの交流電源だ。交流(Alternating Current)は、時間の経過で極性が反転する。東日本なら1秒間に50回で50Hz、西日本は60Hzだ。だから、普通は乾電池の+・−のような極性を気にすることなく、電気を使えるのだが、オーディオ機器の性能をフルに発揮させるためには、機器とコンセントの極性合わせが必要になってくる。
(1)交流電源の極性
まずは下の分電盤の写真を見て欲しい。左側に太い3色(赤・白・黒)の電線が積算電力計(電気メーター)から配線されていて、その右横に安全器(ブレーカー)が並んでいる。この配線は単相3線式と呼ばれ、100V/200V兼用の給電方式だ。現在はこの配線方式が一般的なのだが、古い建物などでは100V専用の白・黒2本だけの単相2線式になっていることもある。
単相3線式
単相3線式の仕組み 赤・白・黒の3本の線のうち、真中の白線は中性線と呼ばれていて電気的に大地アースされている(単相2線式も白)。触っても感電しないのでコールド側という。それに対して、赤と黒の2線には100Vの電圧がかかっており、触ると感電するのでホット側という。
赤−白または黒−白の線から電気を取り出すと100Vが得られ、赤−黒で200Vが得られる。左の写真では、左から赤−白、黒−白……と交互に6系統の100V電源が配線されている。屋内の配線は通常、白・黒の1.6または2.0mmの単線VVFで、コールド側を白で統一しているはずだ(VVFのVはビニル、Fは平形。ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形。参考:JIS検索 C3342)。
赤線 100V ホット
白線 0V コールド
黒線 100V ホット
つまり、赤−白系統でも黒−白系統でも、中性線(白線)につながっている方がコールド側で、他方(赤または黒)がホット側だ。これが交流電源における極性だ。なお、赤線と黒線は位相が異なっているので、オーディオルームは赤−白系統、一般の配線は黒−白系統というように、配線を分けて揃えるのが理想ではある。
(2)壁コンセントの極性
壁コンセントの穴は、写真か実物を見てもらうと判るが、その長さに差がある。向かって左側が長く、右側が短い。長い方がコールド側で、コンセントの背面の取り付け穴に 『W』、つまり白(White)線を差し込むように指示してある。ただし、工事業者が配線を間違えている事もあるので、確実にコンセントの極性を確認するには、検電ドライバー(安いものでは500円くらいから)を用いる。
一般壁コンセント検電ドライバーグリップ検電ドライバー後部
検電ドライバー
グリップ内部にネオン管と保護抵抗(約2MΩ)が仕込んである。先端をホット側に挿してネジに触れると、電灯線⇒ドライバー⇒人体⇒大地と微弱電流が流れて、ネオン管が点灯する。
コールド側ではネオン管は点灯しない。なお、ホット側の検電中にドライバー本体(金属部分)に触れると、当然、感電するので注意!
(3)極性の合わせ方
高級なオーディオ機器であれば、電源コードやプラグに印がつけてあって、取扱説明書にそれをコンセントのコールド側に挿すように指示してあると思う。普通はそのメーカー指定に従えばいいが、それが明記されていない機器も数多くある。そんな場合は、一般的な2P(ピン)コンセントプラグを用いて、交流電圧を測定する。
(1)
機器の電源を入れて30分〜1時間くらい動作させて安定させる。測定時には他の機器とは接続せず、機器単体で測定するのが基本。もっとも、ピンコードを接続した状態で測定した方が、より実態に即していて確かだとも言える。最初はすべての機器を単体で測定、そしてピンコード接続後にもう一度交流電圧を測定して確認する方が良い。
(2)
テスターを交流電圧の測定(ACV)モードにして、2本の針の片方(赤でも黒でもよい)を手に持ち、もう一方を機器のアース部分に当てる。具体的には、ピンプラグのアース側とか、ネジの頭だ。そうすると、交流電圧が測定できる(大抵、数V〜数十V)。
(3)
機器の電源を切って2Pプラグを抜き、180度反転させて挿し直す(ホスピタルグレードなどの3Pプラグではこれが出来ない)。再び電源を入れ、(2)と同じ測定箇所で、再度、電圧を測定する。そうして電圧が低い方を、一応の正解とする。
(3)で『一応の正解』 と書いたのは、この極性の合わせ方はあくまでも基本でしかないからだ。電圧を低い方に合わせた方が音場が広く深く、音像が明確になるはずだが、高い方に合わせた方がいい場合もある。要は、自分の耳で確認してみること。もし、極性の差が分からなければメーカーの指定どおりに、指定が無ければピンコードを接続した時に交流電圧の低い方に合わせておけばいい。

なお、測定時に足を動かして立ち位置を変えたり、姿勢を変えてラックに手を触れたり、あるいは機器の電源コードを踏んだりすると、測定値が大きく変わってしまうことがある。測定者の体を微弱電流の経路にして電圧値を測定しているのだから、そういうケースもあり得る。この場合、プラグの反転抜き差しは第三者に協力を依頼した方がよいだろう。

更にヤル気があれば、オーディオ機器以外の冷蔵庫やテレビやエアコン等の一般家電の極性も低い方に合わせておくと良い。測定箇所はネジの頭くらいしかないと思うが、測定がうまくできない場合はオーディオ機器側で電圧を測定する。ただし、洗濯機など大地アースを取ってある機器は、先にアース線を外しておく。でないと、正逆どちらの極性もほとんど0Vになってしまう。もちろん、測定が終わったら感電事故を防ぐために、アース線の接続は元に戻しておこう。
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