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音生命 (おといのち) ♪Let's make Rebirther
<2001/05/03> ←前へ 次へ→
1.オーディオとは 1)オーディオとは何か
「オーディオ」を辞書で調べてみると、『聴覚』 『特に音質の良い、高級な音響再生装置』 とある。通常は後者の意味で用いるのだが、しかし、それでは趣味としてのオーディオの魅力は伝えられないと思う。何しろ、世間一般では 「私の趣味はオーディオです」 なんて公言すると、無駄遣いの達人と思われて見合いが破談になるほど、趣味としてのオーディオは認知されていないのだから。

つまり、テレビでもラジオでもミニコンポでもシスコンでも音楽は聞けるのに、何でわざわざ数十万、数百万、一千万円以上もつぎ込んで音を聞こうとするのかが、わからないのだと思う。オーディオとは、音楽を聞く装置を対象にした、異常者(マニア)の趣味だと思われているのかもしれない。確かにそういった一面はあるし、アウトドアの趣味のように体を動かして健康になれるとか、ご婦人方と一緒に楽しめて親しくなれるといったような社交性とはほぼ無縁だ。

では、なぜ我々はオーディオを趣味としているのだろう。いや、そもそも趣味としてのオーディオとは、一体何なのだろう?

「オーディオとは何か」という問いに対して、単純に 「音楽を聞くための装置」 と答えることは、登山家が 「山とは何か」 という問いに対して 「土砂と岩石の堆積物だ」 と答えるようなものだろう。実際には、10人の登山家がいれば10通りの答えがあるに違いない。彼らに共通するただひとつの行為は 「苦労して山に登る」 ということだが、この 「山に登る」 を 「音を聴く」 に置き換えると、オーディオの本質がかなりよく見えてくるのではないだろうか。

「音楽を聞く」 という、ありきたりの捉え方では、オーディオの本質を見誤ってしまうと思う。なぜなら、オーディオとは 「良い音」 を求めること、これに尽きるからだ。さらに、その 『音』 には多くの種類がある(以下は独断による分類)。

 MUSIC クラシック、ジャズ、ロック、ポップス、歌謡曲や民族音楽などのいわゆる 「音楽」
 SOUND 水の流れや虫の声、鳥のさえずり、雨や雷、地響きや波音などの 「自然音」
 NOISE 戦車の砲撃や花火、バイクやF1カーのエンジンの爆裂音、蒸気機関車の走行音、汽笛などの 「人工の音」
 VOICE 役者のセリフや、朗読などの 「人の声」
 VOCAL メロディーを伴った 「歌声」 (声楽、詠唱なども含まれる)

これらの、普段は聞き流している、あるいは滅多に聞けない音たちを、録音というクリエイティブな行為の結果として、その魅力を十二
分に伝える――音を再現する器として、オーディオ装置はこの重大な使命をおろそかにすることは出来ない。


では、なぜ 「良い音」 を求めるのか? それはそこに 「感動」 があるからだ。すべての趣味の出発点は、「感動体験」 にある。趣味としてのオーディオも、この世に数多ある 「感動」 を体験するひとつの手段なのである。

したがって、真のオーディオの音は、一般には十分な音(=耳に残らない、聞き流せる音)を超えるものであるべきだと思うし、それを目標としたい。高価な機器やアクセサリー類を買うことがオーディオを趣味にすることだと勘違いしている人が多いが、本当の趣味は自分で問題点を工夫して解決するところにこそ、ある。失敗や苦労を嫌がる人もまた多いが、それらが無いところには、達成感も喜びも無く、何の充実感も得られず(これがシスコン、ミニコンの世界だ)、侘しい限りである。

オーディオとは良い音を求めること、そして、それによって感動を得ることだ。それでは、その理想像は、如何なるものなのだろう?
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