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創世*神器 アィデオン
第一話「出現」あとがき

 「創世*神器アィデオン」は言うまでもなく、フィクションである。
 しかし、各話の中で取り上げていく題材は、現実の生活の中でふだん省みられることの少ない、だが、とても大切な問題を列挙していく予定である。
 さて、第一話では、何を描写しようとしていたのかが、分かりづらかったのではないかと思うのでここで補足しておきたい。

 僕は、手塚治虫先生の「火の鳥」に影響を受けたこともあって、人間が万物の霊長だとは全然思っていない。むしろ、これまで地球上に出現してきた生物の中で、人間は極めて異端の存在だと思っている。それは、もしかしたら人間の方が生物として下等ではないかという、嫌悪感にも近いものだ。なぜなら、人間はあまりにも他の生物に対して傲慢だからだ。

 欧米では動物は神が与えた人間の役に立つべき存在、というキリスト教の考えがあるし、日本でも仏教において畜生という、これも動物を蔑んだ考え方があって、それらが主流のようである。

 一体、なぜ人間はこうも自分を偉いものとして考えたがるのだろう? しょせん、人間も生物なのに。生物である以上、他の多くの生命のおかげで、その生を支えられている存在だというのに。

 誤解して欲しくないのだが、僕は動物の権利(アニマル・ライト)を主張しているわけではない。己の生存のため、他の生物を捕食するのは、自然な行為だ。ただ、人間の場合はそれに該当しない目的で、他の生命をないがしろにしすぎではないかと思う。
 その一例が、今回取り上げた動物実験である。一般に動物実験といえば、病気の治療研究などを思い浮かべることが多いと思うが、日常使われる洗剤や化粧品、これらの安全性を立証するためにも動物実験が行われているのは、ほとんど知られていない。

 作中で描写したのは、いちばん残酷な眼刺激試験(ドレーステスト)でストーリーの都合上、猫で話を進めたが、実際にはうさぎが使われる。新規成分を用いた化粧品は、輸入品であってもこの実験によるデータを提出することが厚生省のガイドラインで求められている。逆に言えば、新規成分を使わなければ(厚生省が安全性を確認済みの原料は2586成分もある)動物実験を行う必要はないのだ。

 動物実験をしていない化粧品会社のリストはJAVA(動物実験の廃止を求める会)が発行しているが、僕はA社の洗剤(1989年に全面廃止)を使用している。

 本当は医療用の実験動物についても触れたかったのだが、こちらは更に難しい問題なので、ここでは触れない。ひとつだけ言いたいのは、人間のために犠牲になっている数多くの生命があるという現実を認識して欲しいということだ。本当に……人間だけが、この地球上に生きているわけではない。犠牲を知らず、感謝することもしないでいるのは――恥ずかしいことだと思う。
 では、第二話でまたお会いしましょう。

 ”現実の結末はあなたのその手で……
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< Last Update 98/04/14 >

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