World Change AIdeON 01 ”Appearance” PART２

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創世*神器アィデオン

第一話「出現」その２（全７回）

葵結花＆槙原絵里

葵結花（左）：年齢１６歳、身長１６２㎝
明るい子で、ちょっと男勝り。スカートより、ジーンズの方が好きなタイプ。
絵里には自分がついていないと、と思っているが、彼女にフォローされる
ことの方が多い（もちろん、本人は気づいていない）。
文系が得意で、寝る前に小説とか詩をよく読む。姉と弟が1人いる。

槙原絵里（右）：年齢１５歳、身長１５４㎝
結花とは中学の頃からの友達。根が素直で、涙もろい。
ボーッとしているように見えるが、意外に観察力は鋭い。
恥ずかしいので実生活では身につけないが、かわいいからという理由で、
ミニスカートが好き。ひとりっ子。

■

　その日は朝から、あちこちで前日の動物消失事件の噂がとびかっていた。都心から電車で数十分離れたここＹ高校前でも、仲の良さそうなセーラー服の女の子二人が話している。おっとりとした感じの絵里と、ショートカットでボーイッシュな結花だ。
　「ねぇ結花、昨日ＴＶで言ってたニュースね、マキちゃんのところも、チャトランが消えたって言ってたよ」
　「えー、絵里、それホント？ホントのホントに消えちゃったの？」
　「うん、トイレに行って出てきたら、部屋ん中で寝てたはずなのにいなくなってたって」
　「どっか、散歩に行っちゃったんじゃない？猫ってそういうの、よくあるんでしょ」
　「でも、冷房かけてて、窓も玄関も閉めてたって。マキちゃん、泣いてたよ」
　「そうか、マキのやつ、チャトランのこと、可愛がってたもんね」
　「あしたから夏休みだし、ねぇ結花、一緒に探したげようよ」
　「ああ、高校生活はじめての夏休みはマキの猫探しで始まりぬ、か。あッ、ごめん！」
　芝居がかったポーズをとっていた結花は、誰かとぶつかってしまった。話に夢中で、学校の方から走ってくる人影に気がつかなかったのだ。だが、相手はよほど急いでいるのか、何も言わずにそのまま駆け抜けていった。
　「ちょっと、何、いまの…」
　結花は文句の一つも言ってやろうと、後ろを振り返ったが、相手は駅に続く角を曲がって消えてしまった後だった。

　「絵里、見た？」
　「うん。かなり背の高い子だったよ。見た事ないセーラー服だったから、たぶん、この辺の子じゃないよ」
　「転校生かな。でも、何で学校と反対の方向に走っていっちゃったんだろ」
　「わかんないよ。夏休み前に転校ていうのも、ちょっと変だよね。あ、そういえば、きれいな髪留めしてたよ」
　「どんなの？」
　「えっとね、赤と緑と青色の三つのハートがつながってるの。あたしも、あんなの欲しいな」
　「ちょっと絵里、何のんきなこと言ってんのよ！あたしは被害者なの！今度いまの子に逢ったら、しっかり慰謝料をふんだくってやるんだから！」
　「ちゃんと前を見て歩いていなかったの、あたしたちの方だよ？」
　「関係ない！決めた、チャトランといっしょに、あの三色丼女も探し出してやる！」
　「どんぶりじゃなくて髪留めだよ、結花」
　「！、！、！、わ、か、って、る、わよ！！」
　ぜ～ったい、あの女がいけないのよ、覚えてらっしゃい、と結花は顔も見ていない相手に、勝手に挑戦状をたたきつけるのであった。

　その長身の少女が向かっていった方向、高層ビルが立ちならぶ都心では、その頃異変が起きようとしていた。

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▽（その３へ続く）　　△

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< Last Update 97/11/03 >

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