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企画書
タイトル: 創世*神器アィデオン

人の心の中の神は正義か、人の魂導く力が神か。
*
突如あらわれて、人類に害をなす「浮幽体」
それに対する謎の存在、アィデオン
両者の闘いを通して描かれる人の未来とは何か?

新番組、「創世*神器アィデオン」

 
 オリジナル・ノベライズド・アニメーション(全13話)
CREATED BY Matock

企画意図

 21世紀を目前にしたこの時代、不透明感が世界を覆っています。現在の享楽の時代の終焉を意識下に予感しながら、大人たちはそれを伝える努力を怠り、若者たちは快楽を貪っています。
 心の中に確かなものを見出せない時代だと言えましょう。

 96年から97年にかけて大ヒットした「新世紀エヴァンゲリオン」は、魅力的な要素を数多く備えながらも、結局その再確認でしかありませんでした。

 「創世*神器アィデオン」では、絶望と希望、闇と光り、堕落と成長、生と死、相反するものが共存するのが「現実」であり、それらを見つめながら次代に伝えるべきものを探し、そして伝えていく作業を一般に巨大ロボットアニメと呼ばれているジャンルで実現しようと考えています。
 平たく言えば、巨大ロボットもので「もののけ姫」をつくろうとしています。

 つまり、当企画は映像的な快楽を提供しながらも、それ以上に思索的な試行錯誤を色濃く打ち出していくということです。それは単なる謎解きではなく、人という存在についての考察に近いものです。

 いまという時代に、大人として若い人たちに対してこの作業を行う姿を示す必要と責任があると確信して、この企画を提案するものであります。
タイトルについて

 「創世*神器アィデオン」、このタイトルは「そうせい」「じんぎ」と、区切って読みます。

 なぜ、このようなタイトルになったのか。

 それは、これまでのメディアで使い古された「○○神××××」というようなタイトルでは、この作品の内容と新しさを示すことができないからです。

 当作品は特定の教義宗教や政治的思想を流布することが目的ではもちろんありませんし、既存の宗教をベースにして興味を引く手法も採っていません。ですから、謎の存在アィデオンを何かの神として描くことは一切しません。

 謎の存在アィデオンは人を救う神ではなく、あえて表現するならば、意志・意識・感情を体現した単なる器といえましょう。
 神の器か、神への器か、いずれにせよ、人とそれ以外の理解不可能なものとの橋渡し役を演じることになるでしょう。
 
 そこで、「神器」という言葉を「創世*神器」と区切って組み合わせることで、世界(人の在り方)を創っていく、とても大切なものという意味を込めています。もちろん、同時に耳目をひくタイトルとしての配慮も含まれています。

 なお、英題は「World Change AIdeON」になります。

ビジュアル面について

 先に当作品を巨大ロボットものと定義しましたが、ビジュアル面では特撮の巨大ヒーローものに近いイメージになります。

 人型のメカが氾濫する、従来のロボットアニメはデザイン的に袋小路に陥っています。「新世紀エヴァンゲリオン」の魅力のひとつに、「使徒」と呼ばれる敵の自由奔放なデザインがあることは周知のとおりです。

 人型と非人間型のものとの対決は、視聴者に今までに見たことのない戦闘シーンへの胸ふくらむ期待を、否が応でも高めてくれます。

 そこで、当作品では「浮幽体」と呼ばれる新しい敵を創造しました。しかし、これは「使途」の模倣ではなく、作品テーマ的にも必然性があっての選択です。
 あらゆる機械、レーダーやカメラなどによる捕捉がいっさい不可能な「浮幽体」、この不可解な敵の目的は、ただひとつ――人類に害をなすこと。
 (その詳しい能力については、設定ページをご覧ください)

 また、登場キャラクターもこれまでのいわゆるアニメ調から脱却した、まったく新しいものを提示していきます。百聞は一見にしかず、主要キャラのページ欄をご覧いただければ、その魅力が理解していただけることでしょう。
ストーリー面について

 近年のアメリカTV界でのヒット作として、「X-Files」があります。
 数々の不思議な事件を二人のFBI捜査官が、追いかけていくストーリーですが、その魅力として「わかりそうで、わからない」という点があります。

 当企画でも、毎回「浮幽体」が引き起こす不思議な事件が中心になりますが、その意味するものは常に不透明です。ぼんやりと影は見えるのですが、最終的な判断は視聴者の想像に委ねられます。

 これは、常に用意された回答を探し当てるだけの現在の学校教育で育った人間にとっては不快以外の何者でもありませんが、新しい時代を切り開いていく柔軟性をもった人たちには、極めて魅力的なポイントとして受け入れられることでしょう。

 したがって、従来の消費者層だけでなく、時代のトップランナーたちへの訴求力をも有しているということです。

 なぜなら、人間という存在の捉え直しがいまほど要求されている時代はなく、これから各ジャンル・メディアでそれが大きなムーブメントになっていくことは必然だからです。

 「創世*神器アィデオン」はこの動きをいち早くとらえ、エンターテインメントとして世に問うものです。

 このように、「創世*神器アィデオン」はこれまでに全くない新しい魅力を盛り込んで、
なおかつ従来の一話完結式の連続活劇のエネルギーを失うことなく展開していきます。
< Last Update 97/09/21 >

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